話し言葉を比喩で変換する

以前から時々、歌詞と話し言葉は違う・・・という事は解説しました。
歌詞は、歌詞だからこその言葉遣い、言い回しがされていてこその歌詞だ、と。

人それぞれ歌詞を書く時は、言いたい事、表現したい事を書く訳ですが、
最初は、箇条書きにでも、1文1文バラバラでも、書き方も、話し言葉同様にでも、とにかく言葉を並べていくのでも良いでしょう。
そして、次に・・・です。
それを歌詞っぽく変えていく作業をするのですが・・・。

例えばです。プロの作詞家の松井五郎さんの作品を例に挙げますが、

氷室京介さんの楽曲「STAY」という曲の歌詞の冒頭部です。
ナイフの風が吹く 夜に燃えるMoonlight ~~」というところ、出だしです。
引用=http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=57904

“ナイフの風”って何なの?・・・と、作詞やり始めの人とかは、思う人も少なくないかもしれませんね。
これは、「身を切る様な冷たい風が吹く・・・」等と読める訳ですが、
歌の中で、「身を切る様な冷たい風が吹く~♪」とは歌えないでしょう。勿論、強引に、そぅ歌いたいから歌う!という歌い手もいるかもしれませんが、歌らしいスマートなカッコよさは乏しいです。
だから、身を切る様な冷たい風が吹いている状況を表すのに、「ナイフの風が吹く~♪」と歌うわけです。

又、例えば、
安全地帯さんの楽曲「プルシアンブルーの肖像」という曲のこれまた冒頭部、
激しい雨が降る 壊れた瞳に ~~」という出だしです。
引用=http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=35864
目が壊れるって何だ?目に雨が降るのか?・・・等と、考える人も少なくないかもしれません。

これは、登場人物が、大泣きしている様を描いている様です。
瞳に激しい雨が降っている・・・という事ですから、何らかの感情極まって「壊れた」と表現している状態の目から、号泣と言える様なほどの泣き方をしている様を表現するのに、「激しい雨が降る 壊れた瞳に~♪」と言っているのだと想像できますが、
それをそのまま「感情極まって大泣きしている~♪」等とは書けないでしょう。
更にもう一つ、言えば、字脚を揃える必要もあるわけです。

状態や状況を、普通に人と会話する言葉でまず書いておいておくのはありだと思いますが、それを、歌詞っぽく仕上げる必要はありましょう。




勿論、これは、当方が松井五郎さんに直接お会いして、歌詞に隠された真実をインタビューした訳でも何でも無く、当方なりの解釈を書いたまでです。なので、一部、仮定系で説明しております。
松井五郎さんの中では実際どういう意図だったか?は存じ上げません。

が、この様に、普通の普段どおりの言葉遣いを比喩などを用いて歌詞っぽく仕上げていく、これもまた技術向上としては必然に通っていく道です。

windzblue

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